時間がなくても本をもっと読む方法
必要なのは、もっと強い意志でも速読講座でもないかもしれません。すきま時間の上手な使い方と、良い本を選ぶ方法、そして合わない本を読むのをやめる勇気です。
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「時間がない」は、たいてい見立て違い
本をもっと読むためのアドバイスの多くは、問題は速さか自制心だという前提に立っています。でも忙しい人にとって、原因がそのどちらかであることはほとんどありません。本当の障害はもっとありふれたものです。読書は静かな夜にじっくりするものだと思い込んでいる。楽しめない本で止まってしまう。そして、ようやく1冊読み終えても次の本が決まっていないので、次を読み始めるまでに1週間が過ぎてしまう。
たくさん読む人には、違いが3つあります。10分程度のすきま時間も含め、使える時間があればいつでも読む。読み始める本をよく選び、合わない本はさっさとやめる。そして、次に何を読むかがいつも決まっている。どれも、読むスピードを上げる必要はありません。
以下は、時間に余裕がなくても本をもっと読むための実践的な方法です。すべてを一度に試すのではなく、自分の1週間に合うものを2つか3つ選んでみてください。
まとまった時間を待たず、毎日のすきま時間を使う
本を片手に誰にも邪魔されない夜を過ごすのは素敵なことですが、働く大人の多くにとって、そんな夜はめったにありません。読書がそのときにしかできないなら、ほとんど読めないのと同じです。短い時間は思った以上に積み重なります。1日15分なら1週間で1時間半を優に超え、一般的なノンフィクションなら数週間に1冊読み終えられます。
コツは、毎日すでにしていることに読書を結びつけることです。そうすれば、覚えているかどうかや、やる気に左右されません。
- 朝のコーヒーを飲みながら10分。メールやニュースを開く前に。
- 昼休みの最初の数分。
- 待合室や行列、会議が始まるまでの数分に、スマートフォンの本や読書アプリで。
- 寝る前の決まった時間に、ベッドで。スマートフォンは手の届かないところに置き、紙の本か電子書籍リーダーを。
通勤や家事の時間を「聴く読書」に
目がふさがっていても、頭は空いていることがよくあります。運転、散歩、料理、掃除、ランニング、洗濯物をたたむ時間。どれも音声で聴くのにぴったりです。多くの人にとって、こうした時間を音声に切り替えることが、何よりも読書時間を増やしてくれます。
音声に向いている本と、そうでない本があります。回想録や物語的な歴史書、ストーリーを軸にした本は、耳で聴いてもたいていとても楽しめます。一方、専門的な本やデータの多い本のように、手を止めて図表を見返したり段落を読み直したりする必要がある本は、紙で読むほうが楽なことが多いでしょう。軽めの本やストーリー中心の本は音声で、難しめの本は目で読む、という分け方がおすすめです。
電車で電波が途切れやすい場合や旅行中は、出かける前に音声をダウンロードしておけば、トンネルで中断されずに済みます。聴くのは読書に入らない、と心配する必要はありません。著者のアイデアと向き合っている時間であることに変わりはないのです。それより大切なのは、その内容を覚えていられるかどうか。これは別の問題で、読んだ内容を忘れない方法のガイドで取り上げています。
全部読む価値があるかは、要約で見極める
ノンフィクションの多くは1つか2つの核となるアイデアを中心に構成されていて、残りの章は事例やエピソード、くり返しです。一字一句読む価値のある本もあれば、第1章で言いたいことを言い切ってしまう本もあります。難しいのは、十数時間を注ぎ込む前にそのどちらなのかを見分けることです。
先に要約を読めば、すぐに判断できます。15分かけて要点に目を通し、自分にいくつか問いかけてみましょう。そのアイデアは新鮮に感じたか、それとも知っていることばかりだったか。その背後にある根拠や事例を知りたいと思うか。要約では得られない議論の流れや読書体験にこそ価値がある本ではないか。
答えが「はい」なら、その本を読みたい本リストに加え、何に注目すべきかを知った状態で読み始めましょう。そうでなければ、主なアイデアはすでに手に入れたうえで、その時間をもっと良いことに使えます。要約のメリットとデメリットについては、本の要約は意味がある?で率直に考えています。
合わない本は読むのをやめる
読みたいほど本が読めない大きな理由の一つは、楽しめないのに「最後まで読まなければ」と感じている1冊の存在です。その本は何週間もベッドの脇に置かれたまま。毎晩、次の章に向き合うよりスマートフォンをスクロールするほうが楽で、いつの間にか読書そのものが止まってしまいます。
やめるための明確なルールを決めておきましょう。50ページや2章分など、ページ数で決める人もいます。毎回読む前に「楽しみかどうか」を自分に聞くだけの人もいます。何日か続けて答えが「いいえ」なら、次の本に移りましょう。残りを流し読みしてもいいし、要約を読んで結末を確認してもいいし、1年後、今より合うようになったときに戻ってきてもいいのです。
やめることは、自制心が足りないということではありません。良い本は、一生かかっても読み切れないほどあります。合わない本に費やす1週間は、合う本に使えなかった1週間なのです。
読みたい本リストで、本と本の間の空白をなくす
1冊読み終えてから次の本を読み始めるまでの空白は、読書がひっそりと消えていく場所です。次に何を読むかを決めなければならないと、その決断を何日も先延ばしにしがちです。
読みたい本リストがあれば、この問題は解決します。次に読みたい数冊の短いリストを、自分が実際に見る場所に置いておきましょう。誰かに本をすすめられたら、そこに加える。1冊読み終えたら、たとえ数ページでも、同じ日に次の本を読み始める。
リストは短く保ちましょう。心から読みたい5冊から10冊のリストのほうが、「読めていない」と感じさせる200冊のリストよりもうまく機能します。並行して複数の本を読むのも効果的です。しっかりしたノンフィクションを1冊、軽めの本を1冊、そしてオーディオブックを1冊。そうすれば、その時の気力や状況に合う本がいつも手元にあります。
スクロールより読書を手軽にする
スマートフォンはいつも手の届くところにあり、その中のアプリの多くは、開きやすく、やめにくいように作られています。同じ仕組みを、読書の味方につけることができます。
- 読書アプリや音声アプリをホーム画面に置き、SNSアプリはホーム画面から外す。
- 本は別の部屋の本棚ではなく、いつも座る場所に置いておく。
- 移動の前にオフライン用の音声を準備しておき、電波の届かない場所で中断されないようにする。
- 夜はダークモードにするなど、スマートフォンで快適に読めるテーマを選び、画面で読むことが苦にならないようにする。
まとめ
忙しい1週間の現実的なプランは、たとえばこんな形です。毎朝15分の読書。通勤中や家事の間は音声で。新しい本は読み始める前に要約で見極める。やめるためのルールを持つ。そして、次の1冊がいつもあるように短い読みたい本リストを用意しておく。
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どんなツールを使うにしても、目指すところは同じです。良いアイデアと過ごす時間を増やし、本と本の間で立ち止まる時間を減らすことです。